抄録
本研究では,中心市街地の無人時間貸し平面駐車場の地権者に対して行った土地利用意向調査データから,現在の時間貸し平面駐車場に至った経緯や理由,今後の土地活用法,希望する利活用用途や用途変更をするために期待する支援策などを明らかにした.さらに,各種用途へ変更した場合の収益率や運用利回りなどを地権者に示して用途変更の意向を聞いた支援策調査データを用いて,地権者の転用用途選択モデルを推定した.このモデルを用いて,指定容積率の最大利用や固定資産税の軽減策など,低・未利用地の効率的利活用を促す各種の支援策の有効性を検討する政策シミュレーションを行った.その結果,これらの施策の適切な導入は費用便益分析や税収といった評価の視点からも効果的であり,中心市街地の活性化に有効であることが検証された.