土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
交錯指標による自転車・歩行者混合交通のサービスレベル評価方法と分離必要度の分析
山中 英生
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2012 年 68 巻 1 号 p. 49-58

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抄録

 我が国の自転車空間整備では,歩道上の歩行者との錯綜が重要な課題となっている.歩行者・自転車混在交通を評価する研究は様々あるが,観測量の入手性,指標の説明力不足などの課題が残っている.本研究では歩行者・自転車混在交通の遭遇回数の推定方法をもとにして,危険感に影響する回避幅の影響を考慮した交錯指標による評価方法を開発した.この方法は,歩行者,自転車の方向別交通量,速度の平均,標準偏差,有効幅員からサービスレベルを推計可能であり,多区間の必要度比較を効率的に行うことができる.開発したモデルは実道路での遭遇観測値の良好な説明力を有しており,推計された評価指標は安全感,回避挙動,交通速度と良好な関連を有することが明らかになった.さらに,道路交通センサスを用いてサービスレベル別の路線長率を試算している.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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