抄録
近年,地方都市では中心市街地の衰退が大きな問題となっている.再び,人をひきつけ賑わいを取り戻すためには,中心市街地を訪れた歩行者にとって,快適で過ごしやすい環境を整える必要がある.そのためには,歩行空間の整備とともに,休憩空間の整備も不可欠である.快適な休憩空間を整備することは,利用者にとって休息や憩いの場になるだけでなく,その空間で飲食をすることや,休憩後また街歩きをすることなどから,滞在時間の増加や歩行範囲の拡大などの効果に期待できる.ただし,一概に快適な休憩空間と言っても,利用者により快適と感じる空間は様々である.本研究では各属性ごとに,街なかに長く滞在する歩行者の行動パターンや,街なかでの過ごし方に対する意識を把握し,それらの属性による休憩空間の選好の違いについて考察する.