2013 年 69 巻 5 号 p. I_181-I_188
本研究では,2011年の東日本大震災後に発生した電力不足を対象に,企業の適応行動とその効果について,各企業の対応状況の報告事例や関東および関西地域の経済統計を用いた実証的な検討を行う.この際,生産量の減少を抑えながらどの程度電力使用量削減が行われたかをレジリエンス(外的ショックに対する抵抗・回復特性)の指標として定義し,時系列モデルによる計量化を行う.得られた指標値に基づき,過去の関連する調査との比較分析,適応行動の定着化や変容の分析,被害の波及影響計量化モデルへの反映方法の観点から考察を行う.