2013 年 69 巻 5 号 p. I_189-I_196
多くの地方自治体では,長期未着手となっている都市計画道路を対象に,社会経済情勢の変化を踏まえた計画の見直しが進められている.多くの見直しでは,各未整備路線に道路が持つ多様な機能を照らして引き続き必要かどうかを検証し,必要性がないと判断された路線を廃止するといった方法がとられている.こうした方法に対し,著者らは,単に道路が持つ機能を評価して不要な路線を見つけ出すのではなく,将来的に都市が目指すべき姿(都市構造)を実現できるように道路ネットワークを再構築すべきであると考え,それが実行可能な計画枠組みを提案している.本稿では,既提案の計画枠組みに対応した都市計画道路の評価の考え方を整理し,さいたま市における都市計画道路の見直しの事例を傍証しながら,その有効性の確認を行った.