2013 年 69 巻 5 号 p. I_253-I_263
本研究は,2005年10月時点の中核市37都市すべてを対象に,都市中心部における業務用地から低未利用地への転換の実態を把握することを目的に,GIS上に区画単位の土地利用データベースを1985年と2005年の2時点について構築した.その上で,業務用地と低未利用地との空間分布状況や各市の駐車場助成制度に着目し,業務用地の低未利用地への転換との関連について分析した.
その結果,全国の中核市で業務用地が減少している一方で,駐車場用地は増加傾向にあり,また,駐車場用地の利便性が高い業務用地が低未利用地へ転換していることを明らかにした.さらに,商業事業者が設置する駐車場に対して助成制度を設けている都市は,その他の都市に比べ,業務用地が駐車場に転換する区画数の割合が高いことを明らかにした.