抄録
自動車の普及や生活様式の変化等により,わが国での暮らしは大きく変化してきた.その結果,商業施設や公共施設の郊外立地などによって,徒歩圏内において日常生活のための買い物や公共サービスの利用といったことが難しくなってきた.このことは,今後高齢社会が進むわが国において解決すべき課題の一つである.本研究では,現在まで集落形態が保たれている,茨城県つくば市の筑波地区を対象に,40年間という長期に渡る期間を二時点間で,集落毎に高齢者も容易に歩ける範囲内で利用できる商業施設や公共施設といった都市サービスの立地の変遷の傾向を明らかにした.この結果,中心的集落におけるサービス提供施設の顕著な減少,一般集落におけるサービス提供施設の変質を定量的に明らかにした.