2013 年 69 巻 5 号 p. I_317-I_325
2011年10月に公表された2010年国勢調査人口等基本集計結果によると,我が国は,東京都,神奈川県などの9都府県を除く,38道府県が人口減少下にある.このように人口減少期を迎えた我が国では,持続可能な地域社会構築のための対策が求められており,都市・地域計画分野においては「集約型都市構造化」に向けて,都市の構造を適正にマネジメントすることが急務となっている.
しかし,その一方で,我が国の都市がどのような構造に“変化”しているのかについて,“集約型都市構造の視点”から詳細に分析した事例はみられない.そこで本研究では,岡山市を対象として,1995-2000-2005-2010年の国勢調査・町丁目データを用いて地区レベルの人口変動を“集約型都市構造のポイント”となる「市街化エリア」「都心」「公共交通拠点」に着目して分析する.