抄録
本研究は既存の様々な空間データに応用可能な,小地域補間のための空間計量経済モデルの開発を行うことを目的とする.空間計量経済モデルではゾーンスケールの違いによって可変単位地区問題の発生が避けられない.そこで,体積保存則を満たすように定義した空間集計行列・空間分配行列を用いてモデルを定式化し,提案モデルを実データに適用し,大地域データから小地域データの予測を行い,小地域補間への適用可能性を検討した.その結果,大地域単位で集計した空間データを用いて推計を行う提案モデルは,再現精度の高い小地域補間が可能であることが明らかとなった.