抄録
本研究では,2009年に名古屋市にて実施された,コミュニティサイクルシステム(CCS)の社会実験によって得られたデータから利用状況を把握することが1つめの目的としている.さらに,CCS実現のキーポイントとなる適切なステーション配置の設計に貢献することを2つめの目的とし,ステーションごとの潜在需要を含む貸出頻度モデルを構築し,どのような場所にステーションを配置すべきかを分析する.その結果,名古屋都心部の土地利用や都市機能の配置が,CCSの利用目的にも如実に表れており,ステーション配置を検討する際には,沿道状況や土地利用状況を考慮することが利用を促進する上で重要であることが分かった.