2013 年 69 巻 5 号 p. I_587-I_594
本研究では,電気自動車(EV)の消費電力量を最小化する配車配送問題におけるより効率の良い巡回路算出のために,配送計画問題であるVRPにおけるメタヒューリスティクス解法の一つであるSA法の基本的な枠組みを用いて,積載荷重の変化,道路の勾配を考慮した最少消費電力巡回路算出アルゴリズムの作成を行った.
この手法を用いて,現実の道路ネットワークにおける標高を考慮した問題を解いたところ,最少消費電力巡回路は最短巡回路と比較して消費電力量についてより良好な解を出力することができた.これらのことから,本研究で提案した配送計画問題において積載荷重の変化,道路の勾配を考慮する手法の有用性を示唆することができた.