2013 年 69 巻 5 号 p. I_819-I_837
欧米各地では政府方針のもと,協調ITS(Cooperative ITS:車対車,車対インフラ,インフラ対インフラの通信を統合し,広範なITSサービスの利用を増大するシステム)の実証実験が活発に行われ,国際的に標準化が急速に進みつつある.本研究では,協調ITSについて,欧米や国内のプロジェクトで考えられている機器,通信,サービスの内容を調査・比較分析し,車両技術の高度化,無線技術の高度化など最新技術の動向や社会経済の潮流などを踏まえ,日本が今後中長期的に目指すべきITSサービスのシステムアーキテクチャを検討した.これをもとに,サービスの実現状況,研究開発状況を整理し,中長期で新たに提供を目指す協調ITSサービスの研究課題を抽出し,ITSに関する国の最近の政策動向も踏まえ,優先的に研究開発すべき新たな研究開発の方向性について考察した.