2014 年 70 巻 1 号 p. 102-112
東日本大震災時,ソーシャルメディアが活発に利用され注目を浴びた.なかでもTwitterは,従来のマスメディアでは扱いきれない情報が多くやり取りされ,被災者の情報支援に役立った.しかし一方で,Twitterで発信される情報の信頼性は必ずしも担保されていない.そのような状況下で,Twitterにおけるテキスト情報が人々の行動にどう影響しているかは明らかではない.本研究では,ソーシャルメディア情報を用いて災害時の避難行動を誘導する新たな施策立案に資する情報を提供するという立場から,両者の間の関連性を定量的に把握することを目的とする.東日本大震災時の東京都内で発信されたTwitterのテキスト情報と人口流動メッシュデータを用いた分析の結果,両者には相関関係があることを明らかにした.