2014 年 70 巻 1 号 p. 76-87
本研究では,ODペア間の接続性を確保するため,複数の非重複経路を考慮しながらも途絶の影響度を計量可能な接続脆弱性評価方法を提案する.非重複経路数を制約条件とする総所要時間最小化問題を解き,複数経路を考慮したアクセシビリティ指標によって道路網を評価し,一部区間の不通における評価指標の減少を分析することで道路網の弱点を特定する.岐阜県全域を対象とした道路ネットワークにて試算を行い,平常時の接続性評価と災害時を対象とした接続脆弱性評価を実施した結果,複数経路を考慮することで潜在的にネットワーク形状に問題を抱える地点を特定することができた.また,平常時に評価が高くとも,一部区間の不通によって大きな影響を受ける地点が発見され,接続性と接続脆弱性の2つを総合的に評価することの意義が確認できた.