抄録
多くの公共施設が耐用年数を迎えようとしている中,国民が受けるサービス水準が低下することのないように,長期的な視点から施設の更新・廃止計画を考えていく必要がある.特に,同じような機能を持つ複数の施設が空間的に散在している場合に,どの施設を維持・更新し,どの施設を廃止するべきかを判断するための科学的手法が求められている.本論文では,老朽化を考慮した施設の更新・廃止計画を検討するために,施設の供用年数を内生化した整数計画問題として多時点最適施設配置モデルを提案する.さらに,提案モデルを仮想的な廃棄物処理施設群に適用し,施設の地理的条件などの要因が施設の更新・廃止計画にもたらす影響を明らかにする.