抄録
本研究は,平成24年度に実施した「国民の観光に関する動向調査」データを用いて,消費行動や旅行行動への志向と宿泊観光旅行の発生回数,今後の旅行内容への意向との関連性の把握を目的とする.まず,消費行動,旅行行動の志向データを用いて,主成分分析,クラスター分析により被験者をそれぞれ10セグメントに分類した.そして,これらのセグメントを含めた個人属性が年間宿泊観光旅行回数に与える影響を数量化I類によって分析したところ,旅行行動セグメントは年収と同程度の影響をおよぼすことが明らかとなった.さらに,これらセグメントや個人属性と今後実施したい旅行内容への意向との関連性の分析を行ったところ,性別や年齢階層区分よりも消費行動セグメント,旅行行動セグメントでばらつきの大きい意向を有することが明らかとなった.