抄録
本論文では,我が国の観光立国には,多くの都市において観光資源を有効活用することが重要であると考え,「ご当地グルメ」を潜在的な観光資源の例として用いて,観光資源としてのご当地グルメの成熟度(栄枯盛衰)を測る方法を考案することを目的とした.まず「讃岐うどん」と「ネルソンの商業立地の法則」をヒントに,観光資源としてのご当地グルメの成熟度がその店舗の立地により把握できるのではないかという仮説を立てた.そして地方20都市の28種のご当地グルメ店舗を独自にデータ整備し,その立地を表す「集積度」や「向心力」を用いて回帰モデルの残差分析を行うことで,ご当地グルメの観光資源としての成熟度とその集積の関係性を示唆した.