抄録
現在から将来にかけての家族構成変化と住宅性能向上による世帯起源のCO2排出量の変化を推計するため,世帯の生活スケジュールからCO2排出量を推計するモデルを構築し,家族類型,住宅種別,居住地,交通機関からなる詳細属性ごとの世帯起源CO2排出量データベースを作成した.これを用いて,名古屋20km圏の市区町村を対象に世帯起源CO2排出量を小学校区単位で推計し,住宅及び家電に係る技術革新による影響を分析した.その結果,1)現状では単身世帯の多い都心において1人あたりCO2排出量が大きくなっていること,2)将来的には世帯人員が減少し1人あたりCO2排出量は増加すること,3)スマートハウスの普及が進めば,郊外でのCO2排出量が減少し,余剰電力が多く発生すること,が明らかとなった.