抄録
温室効果ガス排出削減に向けて,運輸部門においてもモーダルシフトの促進に加えて,EV・PHVといったクリーンエネルギー車両(CEV)への転換を促進することも必要である.ここでCEVの普及に関しては,社会的相互作用が影響することが考えられる.本研究では,局所的相互作用(同調効果)を考慮して,CEV普及促進策を検討するためのマルチエージェントモデルを構成する.ここで,エコカー購入意向に関するアンケート調査結果を用いて,環境意識と局所的相互作用を考慮してCEV保有意向モデルを記述する.また,燃費と車両走行距離の関係についてもモデル化し,二酸化炭素排出量を算出可能とする.このシミュレータを用いて各種シナリオに関して,CEVの普及状況を比較する.これより,CEV普及に関して社会的相互作用の影響を把握できる.