抄録
本研究はNetwork GEVモデルを用いた確率的利用者均衡配分(SUE)モデルを提案する.Logit型SUEは重複経路の選択肢間相関によって,経路負荷が不自然となる問題が存在する.経路相関を扱う既存の経路選択モデルは経路列挙を必要とし,大規模ネットワークへの適用が困難であった.本研究は道路ネットワーク構造を直接的に用いて経路間の相関構造を表現するNetwork GEVモデルを提案し,終点別リンク交通量を用いたリンク・ノード表現によるNetwork GEV型SUEの等価最適化問題を定式化する.この表現はノードごとに分解した推移確率であるため,マルコフ連鎖配分やDialのアルゴリズムをNetwork GEVモデルに容易に拡張可能である.最後に,Logit型SUEとNetwork GEV型SUEを数値計算により比較し,IIA特性が緩和可能であることを示す.