抄録
本研究では,都市中心駅の駅前広場を対象として,都市計画現況調査のデータや,行政担当職員,広場ユーザーへのアンケート調査,事例調査の結果を元に,駅前広場の環境空間の実態を整理するとともに,同空間を歩行空間,交流空間,修景空間に分類し,計画課題を明らかにしたものである.広場に関するユーザーの評価値を元に分析した結果,高評価の広場空間とするためには,駅舎から乗降場までの移動距離を150m以内とすることや,環境空間比を標準値の0.5以上とすることが必要であるとした.また,広場の計測値とユーザー評価値の関係による重回帰分析を行った結果,交流空間や修景空間の充実や,歩行空間における休憩スペースの確保が,ユーザーの評価に影響することを明らかにした.