抄録
社会経済活動を観測した空間データから集積領域を検出することは,地理空間上で営まれる社会経済活動のメカニズムや特性を把握する上で有益である.疫学で提案された空間スキャン統計を始めとして,多数の集積領域検出手法が提案されてきた.既存手法では集積領域は地理的に連結した地理的単位から構成されると仮定する.しかし,集積領域の厳格な連結性を仮定して詳細な空間データから集積領域を検出すると,集積領域検出を通じた分析の結果が歪む恐れがある.本研究では画像処理で広く用いられるモデルベースクラスタリングの枠組みに基づき,厳格な形状制約や連結性を仮定しない集積検出手法を提案する.1/2地域メッシュ単位の事業所数データを用いたケーススタディを通じて,本手法の有効性を示す.