抄録
放置車両確認事務等の業務を民間委託することを骨子とした駐車対策法制が,平成18年6月に施行された.この駐車対策法制の効果を明確にするために,この対策が駐車車両関連事故に与えた影響を,警察庁の交通事故統計と駐停車違反取締りデータを用いて分析した.H17~25年の駐車車両関連事故の変動をみたところ,駐車車両対策法制の施行後には,駐車車両関連事故が全事故と比較して顕著に減少していることが明らかになった.また,駐車車両関連事故の中では,速度が高い事故,夜間事故,自動二輪車,原付,軽車両による駐車車両衝突などの減少率が大きく,駐車車両関連事故が発生しやすい状況における減少率が大きいことが示された.また,駐車監視員の導入状況により,駐車車両関連事故の減少率はさほど変化していなかった.