抄録
交通事故に代表される道路上での突発事象の検出手法の多くは,車両感知器から得られるデータを用いるが,高精度の検出には車両感知器を高密度に設置することが必要であり,地方部の道路や発展途上国などでは,困難なことが多い.そこで,本研究ではプローブカーデータを用いた突発事象検出手法の提案を行う.この手法は,プローブカーにより渋滞の末尾を抽出し,衝撃波の伝播速度に基づいて交通容量の低下を検知することで突発事象を検出するものである.提案した手法について,交通流シミュレータによる検出精度,検出時間の検証を行った.その結果,交通集中が原因の渋滞に対する誤検出を減らすことができる一方で,検出にはプローブカーの混入率が5%程度必要であることが示された.