抄録
地域の主題に地域で自発的に対応しようとする取り組みが増えている.取り組みのために組織を立ち上げる際には関係者は直面する幾多の障壁に戸惑いながら立ち上げに臨むこととなる.本研究では,このような地域活動組織を立ち上げるプロセスにおける関係者の立場や関心事,行動などの変遷を明らかにすべく,まず,まちづくりに見る様々な変遷を記述する方法の既往例を類型化し,それぞれの特徴を明らかにした.次いで地域活動組織の始動過程の一事例として「レトロ納屋橋100年実行委員会」が立ち上がるプロセスを取り上げ,その記述方法として「関与変遷図」を考案し,関係者の組織への関わりを可能な限り客観的に捉えた.本方法により関係者の意識の変化,参加の程度,関係者相互の関係性などを明確に示すことができた.