抄録
本研究では,熊本県内の自主防災組織の代表者に質問紙調査を実施し,ロジスティック回帰分析や共分散構造分析を用いて組織活動を構造化し,組織活動を充実させるための適切な組織ガバナンスについて政策的示唆を得ることを試みる.なお,質問紙調査においては,組織活動に積極的な主要メンバー数や地域減災活動の実施状況,緊急時の活動マニュアルの作成状況,活動責任者の選定状況などについて尋ねている.結果として,主要メンバー数が多い自主防災組織ほど活動責任者を選定していることが示された.さらに,活動責任者を選定している自主防災組織ほど地域減災活動を実施し,緊急時の活動マニュアルの作成を行っていることが示された.