抄録
バス事業者と利用者が新たなサービス改善の取組による採算ラインを予め設定し,それを下回った場合には事業者はその取組を止めるという契約に基づき,バス料金の値下げや路線新設などを行うバストリガー制が注目されている.本研究では,金沢大学と北陸鉄道とで結ばれたバストリガー契約を,両者がこの契約に協力するか協力を放棄するかという長期間のゲームと捉え,1) 無限繰り返しゲームに準じたシミュレーション技法を用いて,金沢バストリガー契約に対する両者の最適な戦略と実際の戦略との関係について考察を行うこと,2) バストリガー制度を長期に渡って継続させていくための適切な運賃水準と目標収支の設定を行い,バストリガー制の導入,維持可能性を検討することを目的とする.