土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
在庫管理モデルを応用した貨物の時間価値に対する理論的アプローチ
瀬木 俊輔
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2016 年 72 巻 2 号 p. 113-127

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抄録
 本研究は,既存研究により推定されている高い貨物の時間価値に着目し,二つの問題意識を設定した.第一に,貨物が高い時間価値を持つ原因である.第二に,高い貨物の時間価値は,物流業が持つ輸送能力のバッファ(余裕)を増加させる可能性があることである.本研究はこれらの問題意識の下に,リードタイムと荷受人の収益の関係,および,貨物の時間価値とトラック物流の輸送能力のバッファの関係について理論的な考察を行った.分析により以下の理論的示唆を得た.他の条件が等しければ,短距離輸送の場合や荷受人が小規模の場合に,貨物の時間価値は高くなると考えられる.トラックの旅行時間の短縮は,輸送能力のバッファを減らすことを通じて,トラック物流の費用を節減しうる.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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