土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
乗用車CO2排出量減少下における自家用乗用車利用の地域別変動要因分析
三科 善則室町 泰徳
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2016 年 72 巻 2 号 p. 128-137

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抄録

 本研究は,マクロ的視野から日本の乗用車CO2排出量減少下における自家用乗用車の利用変動を分析し,CO2排出量削減施策の立案に有用な情報を与えることを目的としている.分析は,Modified Laspeyres Index(MLI)法を用いて,普通・小型と軽乗用車別に,一台あたり走行距離が減少傾向にあった2003-2008年と増加傾向に転じた2010-2013年に分け,一台あたり走行距離変動の主要因を時系列要因分析により地域別に特定し,2003-2013年の両車種間の一台あたり走行距離の差の変動について車種間要因分析をおこなっている.分析の結果,両車種とも燃料価格上昇が一台あたり走行距離の減少に大きく寄与し,その中で軽乗用車は各地域とも普通・小型乗用車に比べて日常的に利用され,この傾向は公共交通の利便性の低い地域において強いことが示唆された.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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