抄録
近年,コンパクトシティ政策実現に向けた制度が急速に整いつつある.そのような流れの中で,かつてはその実現が難しいと考えていた多くの地方自治体における都市計画担当者の認識は変化したのだろうか?本研究では,政策の方針が示された2007年当時と法律が施行された2015年時点の認識の経年変化を,独自に実施した意識調査から初めて明らかにした.分析の結果,コンパクトシティ政策の受け入れやすさ自体は変化が無いものの,政策実現における障害は制度や理解度から業務上の課題に変化していることが示された.また,郊外撤退地での跡地利用の考え方において,今後の情報提供のあり方に関する課題が新たに示唆された.