抄録
ラウンドアバウトにおけるクリティカルギャップは,流入交通容量の推定に必要であるほか,ドライバーの流入判断を安全面から評価する際にも用いることができると期待され,実観測データに基づいてこれを適切に推定することは極めて重要である.そこで本論文では,諸外国における代表的なクリティカルギャップ推定手法をレビューすると共に,これらを日本のラウンドアバウトに適用し,比較を行った.これにより,手法による推定結果の差異と観測サンプル数の偏りとの関係などが把握された.また,日本で一般に用いられるRaff's method以外の手法を用いることで,クリティカルギャップの代表値だけでなく,その分布のバラツキも考慮して,ドライバーの流入判断挙動を比較することが可能になった.