抄録
近年,都市を活性化させるための手段として観光産業が注目されている.本論文では,ご当地グルメを観光資源として活用する場合に,その店舗配置を定量的に把握する方法を検討した.筆者らは,先行研究に引き続き,ご当地グルメによる地域活性化には,そのご当地料理を提供する店舗の空間的配置が影響するのではないかと考えたので,全国の都市のご当地グルメ店舗データを空間統計学を用いて分析した.その結果,多くの都市でご当地グルメ店舗は空間的にランダムに立地するのではないこと,その立地は一か所に集まって立地する場合やある程度離れて立地する場合,さらに複数の場所に集まって立地する場合の3通りに分類できること,さらにその結果から,類似した店舗配置を示す都市群を比較分類できること,が明らかになった.