抄録
国が掲げる「定住自立圏構想」や「コンパクト・プラス・ネットワーク」などの施策は,地方都市の中心部における人口(密度)および都市機能を保持しつつ,周辺の生活拠点からの交通アクセスを確保することで,地方都市生活圏全体の生活サービス水準の維持を目指している.本研究では,鳥取市を中心とした地方都市生活圏である鳥取県東部圏域を事例として,人口増加の最終局面から人口減少の初期局面である平成12年から平成22年の人口分布と居住地分布の推移を明らかにする.特に,地方都市の中心部および周辺居住地区ごとの生活拠点内施設への近接性の状況の変化と交通網や生活関連施設の整備状況との関係性を明らかにすることで,今後の地方都市生活圏の維持施策への含意を得ることを目的とする.