2017 年 73 巻 5 号 p. I_527-I_536
輸送事業者へのヒアリング調査で把握した「経路選択時に考慮する事項」と「実際の走行経路」の分析結果から,道路の幅・車線数といった「単路部の構造規格」と「交差点の構造規格」が経路選択に与える影響が大きいことを明らかにした.この結果をもとに「車線数」及び「交差点の構造規格」を説明変数とする経路選択モデルを定式化し,重複率最大化モデルによりパラメータ推定を行った.「車線数のみを説明変数とするモデル」や「最小時間経路探索モデル」との比較を行うことにより,経路選択モデルで「交差点の構造規格」を考慮すると「正しく推計できる走行区間長」が1.8倍になるなど,経路の推計精度が向上することを定量的に示した.