抄録
少子化対策の一つとして,子連れでも安全に安心して外出できる都市環境,交通環境を整備していく必要がある.従来からのバリアフリー新法等を受けた整備が進められてきたことで身体的な負担が軽減した移動環境が創出されつつあり,その次なる段階としては心理的負担(心理的ストレス)を解消していくことが重要となってくるであろう.本研究はラザラスの代理ストレスモデルを援用し,歩行中の子連れの不安意識を改善していくため,さらには心理的ストレスを軽減していく上での第一のプロセスとして,子連れ歩行者の交通事故・路上犯罪への不安意識と道路空間特性の関係を分析した.その結果,子連れ歩行者の不安意識を改善し安心意識を高める上では,自転車交通への対策や歩道では2m以上の有効幅員が必要となってくること等が明らかになっている.