抄録
近年,公共交通利用者の減少に伴う公共交通サービスレベルの低下が懸念されている.一方で,自動車を保有せずカーシェアリング等の共有の車両を利用する層が拡大している.また,超小型モビリティの導入促進に向けた取組が全国で展開されている.
本稿では,さいたま市で実施したアンケート結果及び3種類の実証実験結果に基づき,超小型モビリティを用いた居住地側でのカーシェアリングの活用可能性について検証を行った.その結果,大都市圏郊外部での居住地カーシェアリングでは,実証実験において居住者のライフスタイルに応じた超小型モビリティ車両のシェアが実現されたこと,駐車スペース不足の課題を有する地区において電動であることと小型であることの双方が評価され,超小型モビリティカーシェアリングの導入可能性があることを明らかにした.