土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
交通需要予測モデルにおける定数項の修正:データ収集時点とサンプル数に基づくその意義
三古 展弘
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2018 年 74 巻 1 号 p. 21-34

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抄録
 古い時点の多数のデータと新しい時点の少数のデータが利用可能なとき,2時点のデータを同時に用いる方法として定数項の修正がある.しかし,新しい時点のデータのみを用いたほうが定数項の修正よりも予測精度が優れているという報告もある.本研究は,定数項の修正を用いる意義を,データ収集時点とサンプル数に着目して分析する.その結果,いかなるデータ収集時点とサンプル数の組み合わせでも定数項の修正のほうが有意に良い予測をもたらすことはなかった.しかし,新しい時点のサンプル数が極めて小さいとき,統計的に有意ではないものの定数項の修正のほうが良い予測をもたらし,その予測値のばらつきが小さく,また推定と予測の計算に問題が少ないことが明らかになった.
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© 2018 公益社団法人 土木学会
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