土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
74 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
和文論文
  • 大西 正光, 関 克己, 小林 潔司, 湧川 勝己
    2018 年 74 巻 1 号 p. 1-20
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/20
    ジャーナル フリー
     災害危機管理における避難指示に関する意思決定は,「通常の災害対応モードから,より緊急性の高い危機管理モードへの変換」という意思決定のモード変換に関するメタ意思決定の問題である.この場合,事前に策定した地域防災計画は,あらかじめベンチマークとして想定した災害発生パターンに対する対応シナリオにすぎない.避難指示に関する意思決定においては,現前で展開する災害の発生がベンチマーキングの範囲に収まるのか,あるいは想定外の異常事態であるかという高度な判断が求められる.本研究では,火山災害における避難指示問題を対象として,避難指示に関するベンチマークの設定と異常事態に関する判断情報を合理的に作成できるような避難ルール決定モデルを提案する.あわせて,有珠山を対象とした適用事例について示す.
  • 三古 展弘
    2018 年 74 巻 1 号 p. 21-34
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/20
    ジャーナル フリー
     古い時点の多数のデータと新しい時点の少数のデータが利用可能なとき,2時点のデータを同時に用いる方法として定数項の修正がある.しかし,新しい時点のデータのみを用いたほうが定数項の修正よりも予測精度が優れているという報告もある.本研究は,定数項の修正を用いる意義を,データ収集時点とサンプル数に着目して分析する.その結果,いかなるデータ収集時点とサンプル数の組み合わせでも定数項の修正のほうが有意に良い予測をもたらすことはなかった.しかし,新しい時点のサンプル数が極めて小さいとき,統計的に有意ではないものの定数項の修正のほうが良い予測をもたらし,その予測値のばらつきが小さく,また推定と予測の計算に問題が少ないことが明らかになった.
  • 吉澤 源太郎, 多々納 裕一, 畑山 満則
    2018 年 74 巻 1 号 p. 35-49
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,災害時の水需給が逼迫する状況下において,災害時に低下する水供給容量に応じて需要調整を図ることで水需給バランスの安定化を目指し,断水による社会的被害を軽減するためのマネジメントの導入意義を提起するものである.なかでも,水道事業者によるコミュニケーションやリスク情報の提供を通じて需要調整を図るためのマネジメント手法を提案する.住民が断水災害のリスクに対する理解を深め,その対処に向けた行動意図の形成を促し,断水受忍限度の向上を図るためのモデルを構築し,幾つかのリスクコミュニケーション実験を行うことで,災害時の需要調整効果を高める情報提供パターンを明らかにする.併せて,地域での水の分け合い意識(共助)を高めるコミュニケーション手法についても考察する.
  • 大澤 実, 高山 雄貴, 恩田 幹久, 浅川 遼, 池田 清宏
    2018 年 74 巻 1 号 p. 50-63
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,我が国の人口分布の大域的特徴とその変遷を明らかにし,多地域空間経済モデルによる理論的予測と実現象との対応付けを試みる.具体的には,パワー・スペクトルに基づく簡便な空間周波数解析によって,1次元空間における理論的予測である (i) 集積の周期性と (ii) 輸送費用の低下に伴う集積数の減少を検出する.国勢調査をもとに,我が国の人口分布を1次元空間上に射影した人口分布データを1920年まで遡る複数年度にわたって作成し,提案手法を適用する.そして,我が国の人口分布の基本的特徴・時系列変化を明らかにし,理論予測との整合性を議論する.
  • 高山 雄貴, 桑原 雅夫
    2018 年 74 巻 1 号 p. 64-81
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,駐車場料金や動的な混雑料金がピーク時の交通状態・通勤者の通勤費用に与える影響を調べる.そのために,異質な通勤者による出発時刻・駐車位置選択をモデル化し,料金政策の有無別に均衡状態の特性を分析する.そして,得られた均衡状態を比較することで,各政策の効果に関する次の性質を明らかにする: 1)政策を導入していない場合,異質な通勤者間の相互作用により非効率的な出発時刻・駐車位置分布が実現する.2) 駐車場料金の導入や駐車場の拡大は交通需要を時間的に集中させる効果をもつため,交通渋滞や総通勤費用を悪化させる可能性がある.3) 混雑料金と駐車場料金を組み合せることで社会的最適状態が達成される.4) 混雑料金と駐車場料金の収入は,各々,最適なボトルネック容量と駐車場容量を実現するための費用と完全に一致する.
  • 高山 雄貴, 梶 大介, 服部 佑哉, 今川 奈保, 石倉 智樹
    2018 年 74 巻 1 号 p. 82-100
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,集積の経済と地域間の人口移動を考慮した空間応用一般均衡分析を実施する.そのために,高山ら1)が開発した空間応用一般均衡モデルを改良し,地域内輸送費用を導入した分析枠組みを開発する.そして,輸送費用の変化が我が国の人口分布に与える影響について,モデルで予測される結果と実現象とを比較し,これらが概ね整合していることを示す.さらに,我が国の総人口減少の影響分析例を通じて,開発したモデルにおいてヒステリシス現象が見られることを明らかにする.
  • 矢田 絃馬, 瀬田 史彦, 樋野 公宏, 城所 哲夫
    2018 年 74 巻 1 号 p. 101-110
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,オープンスペースへのアクセシビリティと,こどものI. ボールあそび頻度,II. 電子スポーツゲームあそびの有無,との間の相関を示すことを目的とする.分析の対象データは,小学3~4年生時のあそび環境に関する中学生を対象としたアンケート調査により得た.分析にあたり,あそび方法に対する嗜好を表す指標として電子-実体験嗜好性を新たに導入し,屋内外嗜好性と併せて計6つのグループにこどもを分類した.
     分析の結果,特定のグループでは,アクセシビリティとボールあそび頻度,スポーツゲームの有無との間に相関が見られることを明らかにした.また,ボールあそびとスポーツゲームとの間には,共通したおもしろさ要素に基づく関係が見られることが明らかとなった.
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