抄録
本研究では,時差出勤の普及(始業時刻の分散化)が経済活動の時空間分布に与える影響を分析する.そのために,Takayama1)により提案された始業時刻選択モデルと標準的な住居立地モデルを統合する.そして,ポテンシャルゲームの性質を利用して,その安定的な均衡状の性質を調べる.その結果,始業時刻の分散化はピーク時の交通渋滞を緩和させる一方で,郊外に居住するインセンティブを増加させることを明らかにする.さらに,社会的最適状態・次善最適状態の特性を調べることで,始業時刻の分散化は必ずしも効率性の向上につながるとは限らないことを示す.