現在各地では,行政主導で様々な景観形成計画が策定されており,これらは計画設計論への応用を見据えた規制誘導のフィジカルな指針である.それにくわえ景観は,多様な主体の関わりや,それら主体によるまちづくりへの意志と積極的な関与も必要である.そのための試みの一つとして,人々が接する景観体験・思いの意味を引き出して,差異や共通点が生じる背景を理解することや互いに共有できる接点を見出すことが重要である.
本研究では下北沢を対象として,属性が異なる被験者で街歩き・WSを行い,景観体験・思いの意味を解釈した.解釈した17の意味に関して,i)空間への接し方により発現する意味が異なること,ii)どのような主体であれ,空間に参加する際には当事者性やその承認を通じて,ある種の帰属意識を求める視点は共通していると考察された.
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