土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
健全度推移の不連続性を考慮したマルコフ推移確率の非集計的推定方法
水谷 大二郎
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2018 年 74 巻 2 号 p. 125-139

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抄録

 2005年のマルコフ劣化ハザードモデルの開発により,非集計的なマルコフ推移確率の推定方法が提案された.これにより,社会基盤施設のアセットマネジメントにおける統計的劣化予測モデルの推定精度が飛躍的に向上し,その適用事例も多数蓄積されている.本研究では,マルコフ劣化ハザードモデルが隣接する健全度間の健全度推移のみを仮定していることに起因して,本来,マルコフ過程モデルが表現できる隣接する健全度以外の健全度間の推移も含む劣化過程をマルコフ劣化ハザードモデルが表現できない点に着目し,その解決方法を提案する.具体的には,Multi-destination型のハザードモデルを用いてマルコフ推移確率を推定するための方法論を提案する.さらに,提案した方法論の有用性を橋梁の実点検データを用いた実証分析により検証する.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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