土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第35巻(特集)
維持管理費用の縮減と地域の効用の低下の比較による廃橋を含めた橋梁管理のあり方に関する研究
岩柳 智之田中 伸治中村 文彦有吉 亮三浦 詩乃
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2018 年 74 巻 5 号 p. I_1069-I_1079

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抄録
わが国では道路橋の急速な老朽化を迎え,またその損傷が深刻なために修繕・更新費は莫大であり,その全てを予防保全型で維持管理することにも限界がある.そのため廃橋を維持管理の選択肢として取り入れる必要があるが,地域の理解を得るために廃橋の効果や影響を客観的に示す方法が必要となる.そこで本研究では廃橋による費用対効果計算として将来の維持管理・更新費用の縮減効果と地域の効用の低下による損失を比較する方法を提示した.そして実地域を対象とした計算を行い,廃橋が受け入れられる余地を検討し,廃橋を含めた維持管理のあり方を議論した.計算の結果,廃橋の効果がある橋梁はなかった.しかし,他の橋梁と比較し,維持管理・更新を続ける効果の低い橋梁が見られ,廃橋にする場合,しない場合それぞれの望ましい管理方針を示した.
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© 2018 公益社団法人 土木学会
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