抄録
ITSの発展に伴い,個々の車両の走行状況に応じたリアルタイムでの情報提供が可能となりつつある.これにより,車両から排出されるCO2を削減することが期待されている.提供された情報にドライバーが従った場合,車両挙動がどのように変化し,交通の円滑化や走行安全性にどう影響を与えるかを分析・評価することは不可欠である.本研究では,交差点に接近する車両が前方の交差点を円滑に走行するためのアクセルオフ情報を,リアルタイムで提供するシステムを考案する.ドライビングシミュレータを用いた走行実験の結果,前車のみに情報提供を行うだけでなく,後続車にも情報提供を行うことで,追突の危険性が低下することがわかった.後続車からのCO2排出量は,両車に情報提供すると削減効果が最も大きくなることも明らかになった.