2018 年 74 巻 5 号 p. I_409-I_417
近年,子育て世代の農村部への移住意識が高まる中で,移住できるなら子の数を増やしたいという意向を有する子育て世代が一定数いることが既存調査より明らかになっている.本研究では,新しい社会像であるSoceity5.0が農村部で優先的に普及することで移住意識が活性化される可能性があることに着目し,その影響を独自に実施したwebアンケート調査の分析を通じて明らかにした.分析として,12の主成分,8の個人グループを抽出,移住意識活性化の構造モデルを作成した.この結果から,1) 個人グループごとにSociety5.0の各要素への反応度合いは異なるが,自動運転車や介護ロボットの導入効果が少なくないこと,2) 農村部だからこそ得られやすい支援よりも,一部のSociety5.0の要素による移住意識活性化の方が効果が高いという傾向が示された.