2018 年 74 巻 5 号 p. I_43-I_54
近年,携帯電話網の運用データを元に生成される人口統計データを対象にした都市交通計画分野への活用可能性等に関する研究が進められている.このような人口統計データにより,既存の統計調査では収集困難であった24時間365日の全国の人々の行動特性を比較的詳細かつ速やかに捉えることが可能となってきている.一方,携帯電話網の運用データに基づく人口統計データは,現在,単一の事業者保有のビッグデータから生成されていることから,事業者毎の契約者の地域分布,属性分布や行動特性の傾向の偏りなど,当該分野のデータ利用の観点からの懸念を示されることがある.本研究は,単一事業者の携帯電話網の運用データに基づく人口統計データの代表性および当該分野への適用性の観点から検証する.