2018 年 74 巻 5 号 p. I_65-I_77
災害時の情報伝達手段としてマスメディアが大きな役割を担ってきたが,近年ではソーシャルメディアによる情報伝播も注目を浴びている.今後,各メディアの特性を活かした災害報道のあり方を検討するためには,各メディアで発信される情報内容やタイミングの特徴を把握する必要がある.本研究では,2016年10月21日に鳥取県中部で発生した地震時に,Twitter,2ちゃんねる,ブログ,掲示板,ネットニュース,TVから発信された情報内容とタイミングの関係性を非負値テンソル因子分解を用いて分析した.その結果,各メディア間での類似性の強弱が明らかとなり,災害報道において独自の役割を果たすメディアが存在することなどがわかった.