抄録
非市場的な主体間相互作用を意味する“社会的相互作用”に関するエビデンスベース研究は,犯罪・教育・労働市場等のミクロ計量経済分析を中心に1990年代より進展し,その後,土木計画学分野でも社会的迷惑行動,環境配慮行動,避難行動等の文脈で研究が蓄積されてきた.一方,人口減少という大きな流れの中で顕在化してきた様々な土木計画的課題(団地の衰退,公共交通の衰退,モビリティシェアリングサービス等)は,特に同調行動に代表されるポジティブフィードバックを有する社会的相互作用の影響が大きい問題と解釈できよう.本論文では,福田ら(2004),松島(2005)による先行レビューを踏まえつつ,社会的相互作用に着目したミクロ計量経済分析の最新動向をレビューした上で,それらの知見の土木計画への応用可能性について考察する.