抄録
爆発物や毒物などを積載した危険物輸送車が,交通ネットワーク上を日常的に走行している.交通事故などが原因でこれらの危険物が漏出した場合,周辺住民や交通ネットワークに甚大な影響を与える可能性がある.本研究では,危険物が漏出することによる沿道にいる人々への影響と交通ネットワーク上で利用者均衡状態にある一般車両への影響の両者を反映させて,走行経路のリスクを定量的に評価するとともに,危険物輸送車が走行するのに最適な経路や配分量を決定するモデルを構築した.また,これらのモデルを仮想ネットワークに適用し,評価基準や危険物の種類による危険物輸送車の最適走行経路の比較を行った.