抄録
都市間交通ネットワークを形成する航空,鉄道,高速バスといった公共交通サービスは,それぞれが異なるサービスレベルやコスト関数を持つことから,適切な役割分担を考える必要がある.本研究では複数モードを考慮したネットワーク計画を行うためのMulti-modal Network Planning Model1)を需要内生型に拡張し,移動利便性の向上に伴う需要の拡大が最適ネットワーク形状に与える影響を分析できるようにする.続いて,仮想ネットワークに対して本モデルを適用し,得られた最適ネットワーク形状を分析した.結果として,都市間交通の改善を検討する場合,その効果は当該路線や当該都市だけでなくネットワーク全体に及ぶことから,ネットワーク全体を視野に入れた考察が必要であり,本モデルがそのような考察を行う上で有用なツールとなり得ることを示した.