抄録
郊外化や大型資本店の台頭,オンラインショッピングの活発化等により,地域に根付いた商業地の衰退が全国各地で発生している.一方で,秋葉原のように特化した商品の扱いによって広域的集客力を有する専門店街も存在している.本報告ではこのような専門店街の分布を全国的に明らかにすることを通じ,その販売額の実態を明らかにすることで今後の商業地の整備方針を考える際の参考情報を得ることを目的とする.成果として,商業統計と電話帳データを用いることで統一的な基準による専門店街の抽出方法を提案した.また,分析の結果,商業集積地全体と比較して,専門店街における年間商品販売額の減少率が大きいことが明らかとなった.さらに,集積の割合が高い専門店街において年間商品販売額の減少率が比較的高い傾向にあることが示唆された.